ABTS とも呼ばれる 2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸二アンモニウム) は、生化学アッセイ、特に酵素学の分野で一般的に使用される発色基質です。これは、ペルオキシダーゼやオキシダーゼなどのさまざまな酵素の活性を測定するために使用される合成化合物です。
ABTS は酸化された形では無色ですが、過酸化水素または分子状酸素の存在下で酵素によって酸化されると青緑色に変わります。この色の変化は、可視スペクトルの光を吸収するラジカルカチオンの形成によるものです。
ABTS と酵素の反応により、分光光度法で測定できる着色生成物が生成されます。色の強度は酵素活性に直接比例するため、研究者は酵素動態、酵素阻害、または酵素と基質の相互作用を定量的に評価できます。
ABTS は、臨床診断、製薬研究、食品科学など、さまざまな分野で広範囲に応用されています。感度が高く、広いダイナミックレンジを備えているため、多くの生化学アッセイで人気の選択肢となっています。